映画で学ぶ英会話

映画で学ぶ英会話3

映画で学ぶ英会話3

【映画タイトル】

ビフォア サンライズ 恋人たちの距離(ディスタンス)(1) (原題 Before Sunrise)

【あらすじ】

ブタペストからパリ行きの列車に乗ったドイツ人夫婦が激しく口論を始め、その近くに座っていた天使のようなパリジャンのセリーンが通路を挟んで、アメリカ人の若い男ジェシーの隣のボックス席に移ってきました。ジェシーは、機を逃さず彼女に話しかけ、結局パリまで行くはずだったセリーンを自分と一緒にウイーンで降りて、街を見てまわるように説得することに成功します。ヨーロッパの古い町並みを残すウイーンの街を歩き回りながら彼らの距離が邦題タイトルの通り、恋人まで縮んでゆく一瞬、一瞬を、二人のしゃれた会話を通して描いた名作といえます。

【場 面】

Scene 1

映画の冒頭、イーサンホーク演じるジェシーは、口論するドイツ人夫婦を目にして,ジュリーデルピー演じるセリーンに向かって、”Do you have any idea what they were arguing about ?” 「彼ら、何でもめていたのか分かる?」と話しかけます。残念ながらセリーンはドイツ語がよくわからず、”No, I ‘m sorry.  My German is not so good.”「ごめんなさい、ドイツ語はあまり得意じゃないの」.、で会話は終わりを告げそうになるんですが、ここで彼女は”Have you ever heard that as a couple get older, they lose their ability to hear each other ?” 「夫婦が年をとると、互いの言うことが聞こえなくなるって聞いたことがある?」と尋ねます。めでたく会話が成立しその後の会話も弾みます。

Scene 2

女性は、相手が自分に合った男性かどうかを3分もあれば、免疫力の果てまで含めて判断できるという説があります。逆に言うと男性の側は、3分は女性に興味を持ってもらいたい。昔のウルトラマンは、女にもてなかったはずですね。

たまたま見つけたバーで、ジェシーが後でアメリカから送金する約束でせしめたワインを深夜の公園で飲みながら二人は、空を見上げて横たわりっています。そこに来る前に、今夜限りで連絡も取らないし、会わないと勢いで決めてしまった二人は、それを後悔しますが、互いに言い出せないでいます。セリーンが、I think I decided I wanted to sleep with you when I got off the train「列車を降りたときにあなたに抱かれたいって決めてたと思う」と言う。これはかなり日本人の感覚ではダイレクトですが、英語だと意外と言えるかもしれません。この状況では、もちろん男はノックアウトされること間違いなしです。ただ、この後で、”Now that we talked so much, I don’t know any more.”「もうこんなにおしゃべりしちゃったからもう分んないわ」と言うのがユーモラスで笑える。露骨すぎるのを和らげる効果もありそうです。

【表現のポイント】

Point 1会話が途切れそうなときに、新しい話題を振るための表現としてHave you ever heard that …「~って聞いたことある?」の表現は、使えますね。I heard that …..で自分が聞いた話を「~という話よ」と説明する表現もよく出てきます。これは、I have heard that…の簡略化された形で、頻繁に使われます。セリーンのセリフの中のas a couple get older, they lose their ability to hear each otherも使える英語表現の宝庫です。 as S get 比較級「Sが~になるにつれて」という程度の進行を示す表現も覚えておくと便利です。例 Have you ever heard that as a boy is kept waiting longer, he is more eager to see a girl. 「男の子は待たされるほど、その女の子に会いたいと熱を上げるって聞いたことあるかしら」

 Point 2 自分が何かを決めた瞬間を説明するときに I think I decided that… when~「~の時….と決めてたと思う」の形が使えます。例  I think I decided I don’t want to see him any more when I got up this morning.「今朝起きた時には、彼ともう二度と会いたくないと心に決めていたと思うの」 I thinkは、口調を緩める役割なので、入れないことも多いです。 「もう~なので、いまでは~なので」(理由)をしめすnow that…も頻出の接続詞です。例 Now that you are already here, you should give up the idea of going home.「もうここに来ているんだから、家に帰ろうなんて考えは捨てたほうがいいよ」

【練習してみよう】

  • 日本文:「カップルが親しくなるにつれて、お互いあまり話さなくなるって聞いたことあるかしら」

英文:Have you ever heard as a couple gets closer, they talk to each other less?

(2)日本文:「外国人男性が日本に長く滞在するにつれて、日本人の女性にに対する見方が変わるそうよ」

英文:I heard that as foreign men stay longer in Japan, they start to see Japanese women differently.

(3)日本文:「彼の連絡方法が分かった時には、私、彼とデートしたいと心に決めていたの」

英文:I decided I wanted to date him when I found out how to contact him.

参考)「人に連絡する」contact人

【応用してみよう】

日本文:最初のころ彼が、真剣になるほどに、私は、興味を失ってしまった。でも、彼は

なかなかあきらめなかったそうで、その話を聞いて、私も彼にもう一度会いたいと心に決め

いた。今では、彼が帰国してしまったので、どうしようもないの。

英文:As he got more serious, I lost interest in him. But I heard he didn’t give up so easily and I decided I wanted to see him again when I heard that story. Now that he has gone home, there is nothing I can do.

表現

get serious「真剣になる」lose interest in…「~への興味を失う」give up easily「簡単にあきらめる」there be nothing 人 can do「人に出来ることはない、どうにもならない」

【最後に】

 この映画にはなんと二本も続編があります。この映画の最後で半年後に再会する約束を交わしましたが、セリーンは、祖母の死で、ウイーンに行くことができず、ジェシーは、失意のまま帰国する。一本目の続編は、その9年後のお話が中心になります。ストーリーの展開も面白いが、ジュディ・デルビーとイーサンホークという俳優たち自身のいい意味でも悪い意味でも年輪が伺われて面白い。おそらく彼らの分身と渾身の三部作なのでしょう。三部作全部で本当の意味での男と女の成熟と甘いも辛いもある愛の姿を描いたわりと稀有な作品達です。

発話ドリル

M: Excuse me. Hello, sorry to bother, but do you know where this ramen restaurant is ?

W: ええと、残念ながらこの店はどこにあるか分からないわ。でも、札幌は、スープカレーが美味しいってきいたことありますか。とってもおいしんですよ。

 Well, No, I am sorry I don’t know this shop. But have you ever heard, in Sapporo you can have good soup curry. It tastes very good.

M; No, I haven’t. What is soup curry?

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